畠山 皆様からお寄せいただいた、「忘れられないサプライズ体験談」をご紹介しています
その場で涙が止まらなくなりました
私は去年20歳の誕生日を迎えました。
20歳と言えば大人と認められる年齢であり、成人式など催し物もある区切りの年齢でもありますよね。
でも20歳の誕生日を過ぎた瞬間、魔法にでもかかったように大人になるわけでもありませんから、今まで通りの自分なわけです。
私の場合は年金の支払いや、すぐに選挙も控えていた時期だったので、「面倒な義務が増える」くらいに思っていました。
そしてまだ暑さの残る秋口に誕生日を迎えました。
学校から帰ると、いつも通り誰も居ない家の鍵を開けて適当に課題をこなしていました。
うちは両親共働きで誕生日といえども、早く帰って来ることはありません。
小さい頃からそうでしたから、仕方ないと思っていました。
その年も期待せずにいました。
ところが・・・午後5時を回ったくらいでしょうか、深夜に帰宅するはずの父が帰ってきました。
そしてノックもせずに私の部屋のドアを開けると「出かけるぞ」の一言・・・。
出不精の父がそんなことをいうなんてびっくりしました。
戸惑いながらも車に乗り込み、1時間くらい飛ばしていました。
その間、無口同士の会話は皆無。 笑
そして目的地へ到着しました。
到着したのは、まさかの東京ディズニーリゾート！！！！
え！？何で！？
私は混乱しました。
急にしかも夕方に突然、夢の国につれてこられるなんて・・・
父は何食わぬ顔で財布からパスポートを出し、園内へ入場しました。
入ってすぐのところで母が待っていました。
母も仕事のはずなのに何故？
きょとんとする私に母は言いました。
「20歳の誕生日おめでとう。今まで一緒に遊んであげられたこと全然なかったよね。
小さい頃も弟がすぐ生まれたから、甘えさせてあげられなかったし、あんたは聞き分けが良かったから、1人で放っておくことが多かった。
それでもグレずに立派に成人してくれた。
だから今日は今まで遊んであげられなかった分とことん付き合うからね。
本当に生まれてきてくれてありがとう。」
その場で涙が止まらなくなりました。
私は姉と弟にはさまれた真ん中っ子で、甘えたいけど1人でいるのが当たり前な子供でした。
自分は愛されていないんじゃないかと考えた時期もありました。
でもその日、本心を聞くことができ、本当に嬉しかったんです。
それに今までしたことがない、両親独り占めを実現できたんですから。
落ち着いた後は園内でうんと遊び、レストランで食事をして帰宅しました。
翌日も朝早くに両親は仕事へ出て行きましたが、私はまだ夢の中に漂っているような幸福感が残っていて、最高の誕生日となりました。
今度は私が両親へ恩返しする番なので、来年の結婚記念日に何かお祝いをと考えています。
