畠山畠山

皆様からお寄せいただいた、「20歳の成人祝いサプライズ体験談」をご紹介しています

私は涙をこらえきれずに祖父に抱きついて泣いてしまいました

私の両親は、私が小さい頃に離婚しました。
父、祖父母と一緒に暮らしていたのですが、父は再婚して家を出て行くことになり、私は祖父母の家に残ることを選択しました。
このため、小さな頃からずっと祖父母に育てられてきました。

そんな家庭環境だったので、私にとって祖父母が実の父と母のような存在でした。

少し複雑な家庭環境でしたが、愛情をたくさん注いで育ててもらったので、不満もなくむしろ大切されていると自覚しながら大きくなることが出来たと思っています。

そんな祖父母に、早く自立して恩返しがしたいと思っていた私は、短大を卒業してすぐに就職を早くに決め、成人式の頃には就職先が決まっている状態でした。

祖父の体の状態がよくないことがわかっていたので、家を出ることはやめて就職してお金を早く家に入れようと、そのことばかり考えていたと思います。
なぜなら祖父が入退院を繰り返していたので、家の負担を少しでも減らしたかったのです。
子供のそんな考えはバレていたようで、「もう少し遊んでいてもいいのよ」と、祖母に言われたこともありましたが、私の決意は揺らぎませんでした。

成人式の日も祖父は入院していたので、成人式の帰りに祖父の病院に寄って振り袖姿を見せて帰ろうと思っていましたが、一緒に付き添ってくれていた祖母がこのまま家に帰ろうと言い出しました。

「なに言ってるの?せっかくの振り袖姿なのに」とかなり反発しましたが、祖母がいいからといってタクシーを家に向かわせてしまったので、私は何も言えず家に帰ることになりました。

すると驚くことに家に帰ると玄関で祖父が出迎えてくれて、唖然とする私の手をにぎって、優しく「成人式おめでとう」と言ってくれました。

久しぶりに会えた祖父の顔を見ただけでも、泣きそうになってしまったのですが、「きれいな着物姿だね」と言われ、私は涙をこらえきれずに祖父に抱きついて泣いてしまいました。

その日はそのまま一泊して次の日にはまた病院に戻っていったので、体調の悪い中わざわざ外泊してくれたのだと思うと、また涙が出てきました。

人生で一度きりの成人式は、私の中でかなり思い出深いものとなっています。

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