畠山畠山

皆様からお寄せいただいた、「20歳の成人祝いサプライズ体験談」をご紹介しています

父からの誕生日プレゼントは小さな鍵が一つ

私が20歳になった時の誕生日は特別なものとなりました。

普段から仲のよい家族なのですが、それほど誕生パーティを盛大にやるような家族でもありません。

私が長女で下には弟が一人の二人兄弟です。
父と母の他に祖母が一緒に住んでいる、ごく普通の家族です。
決して裕福ではない家族に産まれましたが、みんな優しく私も家族みんなの事が大好きでした。

長女という事もありワガママも言わずに20歳まで頑張って来ました。
とくにやりたい事もないですし、欲しい物もそれほどありませんでした。

しかし高校を卒業する頃、父は仕事の都合で単身赴任をする事になったのですが、大きくなった私たちはついては行かずに今までの家に残りました。

大好きな父と離れて暮らすのは淋しいですが、仕方がありません。
そのうちまたみんな一緒に住むことは当然ありますので、しばらくの我慢ですね。

そんな事で、私も高校を卒業して会社員になったのですが、気が付けば20歳を迎える年になりました。

成人という言葉と、成人式で友達と会う事で、私も大人の仲間入りなんだと実感しました。
会社員ですし自立して頑張ろうと決めました。

その誕生日ですが、父も帰ってくるというのでせっかくだからホームパーティをしようという話に。

誕生日と成人祝いを一緒にするというものです。
家族全員が揃った誕生会では、「成人おめでとう」の優しい言葉をかけてもらいました。

そして父から誕生日プレゼントがあると言われました。
渡されたのは小さな袋です。
「何が入っているのかな?」と思って開けてみたら小さな鍵が一つ入っていました。

これは何かと父に尋ねたら、
「今まで古くなった家で我慢して生活してくれてありがとう。」と言って成人を期に家族でマンションに引っ越す事になったというのです。

これまで一所懸命お金を貯めてくれて新築マンションを購入したとの事。

これにはかなり驚きましたし、夢かと思いました。

引越したマンションはさすがに綺麗で、今までの古い戸建てとは全く違いました。
この新しいマンションで私の大人の人生が始められる事に感謝しています。

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