皆様からお寄せいただいた、「20歳の成人祝いサプライズ体験談」をご紹介しています
この日のことがよい思い出として心に残っています
自分が20歳のときは既に就職していました。
そして成人式当日は仕事が忙しく、式に出席することはできませんでした。
普通成人式では懐かしい友人と会って盛り上がったり、その後一緒に食事に行くなどして楽しむのが一般的です。
しかし自分はこのような機会を逸してしまいました。
もちろんこのことを自分の両親も知っています。
自分の両親は非常に厳しく、当然成人前にお酒を飲んだりタバコを吸ったりすることを許してはくれませんでした。
それで自分としては成人式で学生時代の友人に会い、その後一緒にお酒を飲みに行くことに憧れていました。
成人式の日に仕事が終わり家に帰宅したのは、夜の7時くらいでした。
いつものように母親の準備した夕食が、テーブルの上に並べられていました。
自分の仕事は、クライアントの都合次第で残業が深夜に及ぶこともありました。
そのため家族には自分を待たずに夕食を食べているようにいっておいたのですが、この日は誰も夕食に手をつけていませんでした。
そして普段は無口な父親が、自分が帰宅するなりワインを片手に「一緒に飲もう」といってきたのです。
父親は自分が成人式に出席できなかったことをかわいそうに思ったらしく、自分のために高いワインを購入して待っていてくれたのです。
いつもより少し豪華な食事と共にワインを楽しみ、その日は心地よい眠りにつくことができました。
普段は無口で不器用な父親のささやかなサプライズパーティーでした。
父親はあえて何もいいませんでしたし、母親も父親の気持ちを察してか黙っていました。
そんな両親の気遣いが非常に嬉しかったです。
またこの日は会社の上司が、本来なら成人式に出席しているはずの自分を気遣ってくれて、残業をせずに帰宅させてくれました。
このことにも大変感謝しています。
当時は友人たちと盛り上がれなかったことが非常に悔しかったのですが、今となってはこの日のことがよい思い出として心に残っています。
無口な父親の精一杯のサプライズパーティーでした。