畠山畠山

皆様からお寄せいただいた、「ワインに関する感動ストーリー」をご紹介しています

初めての妊娠がわかった時、一番喜んだのは主人でした。

嬉しさのあまり、いろんな知り合いに妊娠したことを連絡をしていました。

主人を慕ってくれる友人達はとても喜んでくれました。

男性は意外と無関心なのかと思っていた私は、主人や友人達の反応に驚きました。

主人の友人達はまだ結婚していないので出産について何かと質問が多く、これから経験することを二人で勉強していました。

毎朝飲んでいるコーヒーのカフェインが心配だからと、カフェインレスのコーヒーを探したり、みそ汁の塩分を控えたり、二人でまだ見ぬお腹の子のことばかり話していました。

アルコールは一緒に飲めないので、主人は家で飲むのをやめてしまいました。

片道2時間かけてかけつけてくれた、主人の友人

つわりが落ち着いた頃、他県に住む主人の友人から祝いに行きたいと連絡がありました。

安定期に入っていたので気軽に来てもらうよう返事をしました。

車で片道2時間かけて一人で来てくれた友人は、私の顔を見るなり嬉しそうに、

「おめでとうございます」と丁寧に言ってくれました。

元々律儀な性格なのですが、お祝いにと重い箱を手渡してくれました。

懐妊祝いなど聞いたことがなかった私たち夫婦は、顔を見合わせて笑いながらお礼を言いました。

そして、主人が包みを開けて箱が見えたところで手が止まり、振り返って私の顔を見ました。

私は何が起こったのかわからず、その手の先を見てワインだと気が付きました。

箱を開けてみると赤ワインと白ワインが入っていました。

贈り主の友人はお祝いだからと奮発してくれたようでした。

結婚前に会った時、私たち二人はワインが好きでエチケット(ワインのラベル)を集めていると話したのを思い出しました。

それを覚えていてくれ、またすごく考えて用意してくれたことに心から感謝しましたが、隣にいる主人はアルコールを飲んではいけない私を気遣い複雑な表情をしていました。

友情と愛情の両方をムダにしないため私は、赤ワインが好きな主人と今日は一緒に飲んでほしいとお願いしました。

友人は、私がなぜ飲まないのが不思議そうでした。

その理由を主人が説明すると、友人は真面目な性格なので落ち込んでしまいましたが、私が一緒に飲んであげられないからとお願いしたら素直に受け入れてくれました。

白ワインは私が飲みたいので授乳が終わるまで保管します。

その後、夜遅くまで二人で思い出話に花が咲いていました。

私はお腹の子を産んで授乳を終えた時をなんとなく想像しながら、ワイン好きな主人に見つからない場所に大切に保管しています。

そのワインの印象的なエチケットは、今も大切にしまっています。

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