ワインは、原料となるブドウによって味が大きく左右されます。
また、ブドウは土地や気候によって適したブドウ品種が異なり、また同じ品種でも環境によって
大きく味に違いが出てきます。
フランス
・ボルドー
ボルドーは、ブドウ栽培にとても適合した土壌です。
世界で最も高いワインを産する「サン=テミリオン」、「ポムロール」、「フロンサック」といった世界的なブドウ園が存在しています。
ここでは古くから品質にしたがってワインの格付けが行われており、メドック地区での第1級に格付けされた「シャトー・ラフィット・ロートシルト」、「シャトー・マルゴー」、「シャトー・ラトゥール」「シャトー・オー・ブリオン」、「シャトー・ムートン・ロートシルト」が有名です。
・ブルゴーニュ
ブルゴーニュ地域圏は、「コート・ド・ニュ」、「オート・コート・ド・ニュイ」、「コート・ド・ボーヌ」「オート・コート・ド・ボーヌ」、「コート・シャロネーズ」、「マコネー」、「ボジョレー」、「シャブリ」の8つの地区から成ります。
ワインの呼称に「ブルゴーニュ」を含むためには、赤ワインは「ピノ・ノワール」、「ガメ(ガメイ)」「ピノ・リエボー」、「セザール」、「トゥルソ」、「ピノ・グリ」、
白ワインでは「シャルドネ」、「アリゴテ」、「ピノ・ブラン」、「ムロン・ド・ブルゴーニュ」などの定められた品種を使用しなければならないという決まりがあります。
・シャンパーニュ
シャンパーニュ地方の土壌 には、紀元前からずっとブドウ畑がありました。
時の流れとともに栽培面積こそ縮小されていきましたが、その特性は非常に早いうちから認められ、名称の保護を承認された最初でありました。
Champagne(シャンパーニュ)と呼べるのは世界で唯一フランス、シャンパーニュ地方の発泡ワインだけです。
イタリア
・トスカーナ
トスカーナ州はピエモンテと並びイタリアで最も高品質なワインを生産する州で、トスカーナで作られている「キャンティ」は、日本でも早くからその名を知られ、イタリアを代表するワインのひとつです。
また、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」、「ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ」も高品質で知られた赤ワインです。
白ワインには、伝統のヴェルナッチャ種で造る「ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ」があります。
・ピエモンテ
ピエモンテには「山の足」という意味があり、イタリアの北西、アルプス山脈の麓に広がる州です。
「イタリアワインの王様」と言われる「バローロ」を筆頭に「バルバレスコ」、「ガッティナーラ」、「アスティ・スプマンテ」など素晴らしいワインが作られています。
ドイツ
・モーゼル
モーゼル地域はドイツ最古のワイン生産地で、もっとも大きな急勾配斜面のブドウ栽培地です。
急斜面の畑は南と南西に向き、ブドウにとって格好の小気候となっています。
ミネラルを含む急斜面畑で育ったリースリング種から造られる、モーゼル、ザール、ルーヴァー川域のワインは、世界最高の白ワインに数えられています。
その味は愛くるしい「山の娘」と言われ、歯切れのよい酸味の良さが特徴です。
・ラインガウ
ラインガウのワインは、ドイツのワインの中でも最も華やかで偉大なワインといわれています。
「優雅な貴婦人」と例えられ、力強く果実味の豊かさが特徴の黄金色の白ワインが作られます。
この地域で作られる貴腐ワインは、フランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイとともに世界三大貴腐ワインの一つです。
スペイン
・カタルーニャ
カタルーニャでは、赤、白はもちろん、ロゼ、スパークリングなど様々なワインが生産されています。
シャンパンに匹敵する味と香りを誇る発泡酒「カバ(CAVA)」が最も有名ですが、シャルドネ、ピノ・ノワール、カヴェルネ・ソーヴィニヨンなどの輸入ブドウ品種や新しい醸造技術を貪欲に採り入れ、特に長熟タイプの赤ワインに対する評価は年々高くなっています。
・リオハ
フランス国境に近いエブロ川流域は、紀元前数世紀からブドウが栽培スペイン最古のワイン産地で、現在ではスペインでも最高級品質のワイン生産地として知られています。
1991年、リオハはカタルーニャ地区のプリオラートと共に特選原産地呼称ワイン、「デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ:DOCA」に承認されました。
DOCAを誇るリオハのワインは、その質の高さを消費者に約束しています。
アメリカ
・カリフォルニア
基本的にカリフォルニアはフランスよりも温度が高いため、ブドウが完熟します。
完熟したブドウで造られたワインは、糖度が高く、甘みがあり酸味は少ないのが特徴です。
また、カリフォルニア大学など、ワイン醸造学の最先端の研究機関によって、世界最高の醸造研究が行われている場所でもあります。
オーストラリア
・ハンター・バレー
シドニーから車で3時間弱のところにある、ワインの生産地として有名な場所です。
120以上のワイナリーがあり、すっきりした「ハンター・セミヨン」や「ハンター・シラーズ」など、国内、海外に多数のファンをもつ極上のワインが生産されています。
日本
・北海道(十勝ワイン)
池田町において破綻状態の町の財政状況から回復すべく、町おこしとしてブドウ生産とワイン醸造が行われ、1960年代から20年の歳月をかけてこれに成功しました。
北国ブドウの特徴でもある、豊かな酸を生かした辛口路線が特徴です。
・甲州ワイン(山梨)
甲府盆地内の果実栽培に適した土壌を受けて、現在では日本有数の生産地のひとつになっています。
2004年から始まった「甲州ワインプロジェクト」では、フランスの醸造専門家ドゥニ・デュブルデューの指導により白ワイン「KOSHU」が完成。
日本料理に合うワインとして高い評価を得ています。
・神戸ワイン(兵庫)
兵庫県神戸市の神戸ワイナリー・農業公園で作られるワインです。
神戸市が率先し、都市部での農業生産と観光事業をからませて独自のワイナリーを立ち上げ、市のブランド品としての商品開発をおこなっています。
純国産の本格ワインに頑固なまでにこだわり、生産・使用しているブドウのほとんどが、ワイン用のヨーロッパ品種というこだわりのワイナリーです。