畠山畠山

皆様からお寄せいただいた、「還暦祝いサプライズ体験談」をご紹介しています

喜んだ父の姿をみて私達も嬉しくなりました

私は30代男性。
父は今年60歳を迎え、定年退職しました。
団塊の世代の父は競争社会を逞しく生き抜き、同じ会社で40年キッチリ働き続けました。
そんな父は誰よりも自分に厳しく、人に優しい性格の持ち主で、家族はもちろん職場の同僚や友人からも慕われていました。

そんな父の還暦祝いをサプライズで行おうという提案があったのは妹からでした。
提案内容はそんなに手の込んだものではなく、妹が父を誘って買い物へ出ている間に部屋を片付けて装飾し、部屋を暗くして父が帰って来た瞬間にクラッカーを鳴らしてシャンパンを開ける・・・というものでした。

そして妹の買い物も、「恩師に送る日本酒を探したいから」という理由で酒好きの父を付き合わせているのですが、実はそのお酒も父へのプレゼント・・・というオチです。
最初はこの安易な計画がすぐバレてしまいそうで少し心配でしたが、父は見事にだまされ、うまいこと妹と自分のお酒を買いに街まで出かけて行きました。

父と妹が出て行った瞬間から、私達は部屋を片付けてパーティーの準備に取り掛かりました。
部屋の装飾は昔小学校で習った折り紙を貼り合わせたものにドンキホーテで売っているようなLED電球を這わせて、暗闇で見るとそれなりに見えるというものを、雑誌を参考に見様見真似で作ってみました。

よく見るとアラが目立ちますが、遠目だと騙される程度のものができました。
そして頼んでいたケーキをケーキ屋さんに取りに行きました。
チョコレートのプレートには『お父さん、お疲れ様でした』というメッセージをお願いしました。
そしてシャンパンを用意して、妹とメールをやり取りしながら父の帰るタイミングを待ちました。
母も料理に腕を振るってご馳走を作り、これ以上ない、豪華な宴の準備が完了しました。

そして暗くなった頃、妹のメール通りの時間に父は帰ってきました。
部屋が暗かったので皆出かけていると思い込んだ父は、今のドアを勢い良く開けました。
その瞬間、私と母と妹で一斉にクラッカーを鳴らし、電気をつけました。
すると装飾された部屋と用意されたご馳走、そしてケーキのお疲れ様の文字を見て父は全てを悟りました。

父は目を真っ赤にして珍しく大声上げて笑っていました。
そして

「有難う!」

と言いました。

更に恩師に買ったはずの日本酒を、妹からプレゼントされ大喜び。

声を震わせて、「まんまと騙されたわ!!」と連呼していました。
その日深夜まで宴は続きました。
父は相当喜んでいました。
そんな父の姿をみて私達も嬉しくなりました。

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