畠山畠山

皆様からお寄せいただいた、「忘れられないサプライズ体験談」をご紹介しています

たったそれだけのことで、ここまで隠していたのか?

私は誕生日とか記念日と称するものにあまり興味がない男です。

一緒に住んでいる私の彼女が、私の誕生日の前日に、忙しそうにネットに向かって手続きをしていました。
何をしているのか聞くと、ノートパソコンをさっと閉じるので、また人の目を盗んで何かしているなと思って、ちょっとした口喧嘩になりかけたことがありました。
彼女は、隠れてネットで何かしていたりする人でもあったのです。

なので、彼女が何をしているかわからないまま、不穏な空気が流れていました。

そして、翌日になると、「ポートアイランドはどうやって行くんだっけ?」などと聞いてきます。
いつもは車で行くのですが、その時に限って電車で行くということで、「何を考えているのだ、このオンナ?」という疑問は消えないままです。

何を聞いても、「まあ、いいからついてきて」と腕を引っ張られてめったに乗らない電車を使って神戸へと向かったのでした。

そして着いた先は、ポートアイランドの隣のモザイク。
ルミナス神戸のディナークルーズの乗り場です。

そこでやっと事実が判明!このディナークルーズは誕生日だと無料なのでした。
もちろん同伴者は有料にはなるけれど、私は乗船料ともに無料・・・。

「たったそれだけのことで、ここまで隠していたのか?」と言いそうになりかけながらも、そこは我慢。

「私は前からサプライズが好きだといってるでしょ!昨日もこれの申し込みをしていたのよ」と嬉しそうな顔をして、こちらが驚くのを待っている様子。

「といっても、無料だよ、オレ」などと言っても可哀想だし、顔は喜んでいる表情にしてみる。

しかし昨日はケンカ寸前で妙な空気だったのに、そこまでして隠す意味があるのかどうかわからんっ!

いや、とりあえず喜びましたよ。
「毎年、いろんな意味でサプライズだけど、ありがとう。」

ですが、彼女の気持ちは大切に受け取りたいというのが本音だったので、誤解も解けてすっきりしました。
そして、昨日の面倒なことは忘れて、二人でのんびりと誕生日のディナークルーズを楽しみましたとさ。

他の乗船客にも誕生日の人が多く、互いにおめでとうー!と祝いあったりして。

「もう、サプライズはいらないよ」とぼそっと帰りに言ったけれど、彼女に聞こえただろうかと少し不安になる瞬間なのでした。

生まれ年ワインを購入できるお店はこちら